少し前までは投資というと男性の世界というイメージがありました。が、最近では女性の社会進出の影響もあり、将来の資産は自分で作ると投資セミナーに参加したりと、資産運用を始める女性が増えてきました。
そして、数々の調査結果から、男性よりも女性の方が運用成績が良いということが分かりました。
家計管理は女性の役割という家庭も、今なお残っていると思いますが、家計管理に留まらず資産運用も女性の方が得意なのかもしれません。
男性と女性の投資の違いや、なぜ女性の方が運用成績が良いのかを詳しく見ていきましょう。
もくじ
女性と男性の投資スタイルの違い
女性の投資スタイル
女性の投資スタイルの特徴はこちらです。
・家計管理から投資をスタートさせるケースが多い
・手堅く稼ぎたいという思いが強い
・高リスクを避ける傾向がある
・目線が長期なので、目の前の相場変動をあまり気にしない
男性の投資スタイル
一方、男性の投資スタイルの特徴はこちらです。
・投資に夢を求めがち
・一攫千金を狙った、ハイリスクハイリターンの投機的な投資が多い
・株の値動きにより短期で売買を繰り返す
・リターンばかりに注目し、リスクを度外視している
女性の方が投資成績が良いという事実
このような男女の投資スタイルの違いが、投資成績に多大な影響を与えています。
カリフォルニア大学バークレー校の研究者らが発表した調査では1991年2月~1997年1月の間、3万5000以上の家庭の男性と女性が行なった個別株投資を分析しました。その結果、男性は女性よりも45%頻繁に取引し、女性は男性よりも年間で0.94%高い成績を収めたことが分かりました。
男性の運用成績を下げた要因の一つは、リターンを求めて取引回数を増やしたその行動そのものです。取引回数を増やせば増やすほど、同時に取引手数料(=コスト)も増えるため、これが地味に運用成績に負荷をかけるのです。
最近では、英ウォリック・ビジネス・スクールが450人の女性を含む2456人の投資家を、2012年4月~2016年7月に実施した調査があります。この調査の結果でも、女性グループは男性グループよりも年間1.2%高い成績を収めたことが分かりました。
プロの投資家(機関投資家)も調べて見てみると、男性より女性の方が運用成績が良いという、この傾向が当てはまることが、ヘッジファンド・リサーチHFRの「HFRX ダイバーシティ・ウーマン指数 」から分かりました。
2017年1〜7月にかけて、女性マネージャーが9.95%のリターンを叩きだしたのに対し、「HFRI総合指数」は4.81%、2016年7月~2017年8月の1年間にかけては、女性マネージャーが11.9%のリターンを出しているのに対し、総合指数は7.05%と、女性マネージャーの成績が上回っています。さらに、こうした傾向は過去5年以上も続いているそうです。
投資成績を高めるおすすめ女性運用方法
投資で利益を出す方法は
1. 価格の差額から利益を出す(安く買って高く売る、もしくは高く売って安く買う)
2. 複利を活用して、お金でお金を生む
この2通りです。
相場の値動きによって取引回数を増やす男性は1.の利益に注目しがちで、堅実性に重点を置き長期で確実に増やすことを目指している女性は2.の利益に注目しています。
女性の方がより高い運用成績を出しているということは1.の相場変動による利益追求よりも、長期運用で複利で利益を生み出すことにフォーカスを当てることが、運用成績を高める運用方法の秘訣の1つです。
また、先に述べたヘッジファンドの運用成績からも分かるように、プロでも10%を超えるリターンを出せば好成績です。つまり、10%未満のリターンでも複利を活用すれば十分に資産を増やすことができます。
無駄に高いリスクを背負って、高いリターンを求める必要はなく、自分がストレスを感じない程度のリスクに抑えてところでのリターンを追求する方は、意外と資産は増えるものです。
この、過剰にリスクを追求しない運用スタイルも、女性がより良い運用成績を出している秘訣の1つなのです。
まとめ
女性の中には「数字の計算が苦手」だからと、投資を敬遠している方がまだたくさんいらっしゃいます。
しかし、ここで見たように投資でより良い成績を出しているのは、過剰なリスクを好まず、短期の相場変動に一喜一憂せず、家計管理の延長線上で長期で資産を育てる運用をしている女性の方なのです。
既に運用をされている方は、ご自身の投資スタイルがより良い運用成績を出すためのものに合っているのか、ぜひ見直してみてください。
投資未経験者の方は、これを機会に『未来への貯蓄』という感覚で投資を始めていただければ嬉しいです。