私たちは、人と人が支え合いながら生活をしている、とは昔からよく聞く言葉です。
この支え合いは、社会生活を送る上でその効果を発するに留まらず、知識を身に付ける上でも効果を発揮しています。ようは、誰かが助けてくれるので、全ての分野で詳細まで理解できなくても良いということです。
例えば、体調が悪くなると、医療の知識を身につけている医者を頼れば良いし、スリムな身体になりたいと思うと、ダイエットの知識に長けたトレーナーを頼れば良いですよね。
私たちの生活では、何か詳細な情報が必要になることがあれば、その各分野に頼れる専門のアドバイザーがいます。このアドバイザーたちのおかげで、私たちは多くの知識を持ち合わせていなくても、快適な社会生活を送ることができています。
と同時に、ことお金に関しては、この関係がマイナスに働いてしまう場合があります。
使うと増え、使わないと減る金融リテラシー
家計の管理を夫か妻などどちらか片方に任されている場合、任されていないもう片方は金融に関する情報を可能な限り無視しながら生きていくようになります。これは、自分にとって『金融』に関する知識、情報が重要でないと脳が判断するため、無意識のうちのうちに、金融に関する情報を無視していくからです。
テキサス大学で行われた調査で、興味深い結果があります。
交際しているカップルに、お金の管理をどちらがどれだけ分担しているのか、そして一般的な金融知識をどれだけ身に付けているのかを調べました。交際期間が長くなるにつれ、お金の管理をしている方は金融リテラシーが高くなる傾向がありました。これは容易に想像できることでしょうが、注目すべきは、もう片方のお金の管理をしなかった人は、次第に金融知識が低下していったのです。
この結果より、金融リテラシーには「使わなければ失われる」という性質があるらしいことが分かりました。
(参照:「知ってるつもりー無知の科学」)
小さく小さく投資を始める、その効果とは
金融リテラシーの「使わなければ失われる」という性質を前提に考えると、投資できちんと資産を築くためには、リタラシーを正しく使って投資をする必要があります。
それは、例えばNISA口座とはどういうものなのか、iDeCoとはどういう制度なのかといったものでも良いです。一つ、小さなステップを踏み出すことで、どんな商品を運用するのが良いのか、どれくらいリターンを出そうか、とどんどん考えが深まっていくでしょう。
何も分からないまま、ただ言われるままに投資をするのは、お金の管理をする、というのは異なります。なので、きちんと金融リテラシーを身に付け、投資でお金を増やしていくためには、あなたが興味を持てるところから、小さく小さく投資を始めていくことが大切です。
最初から大きなリターンを求める必要はありません。むしろ、高いリターンを求めなくても高いリターンを出せるのが成功する投資の秘訣です。
そのためにも、まず、お金に関心をもつ、お金の管理をすることから始めてみてください。